REPORT78
2011年11月13日(日):
東京都女子サッカー1部リーグ 第6戦、対慶応大学(日吉グランド)
この日の対戦相手は慶応大学女子ソッカー部。現在5戦全勝で得失点差でも+22という1部リーグで独走の強敵。
創部6年目にして、1部リーグ優勝を目標に現在関東リーグ昇格をほぼ手にしているチーム。昨年の対戦では同じこのグランドで1-2の接戦の末敗れた相手、今年はさらに力をつけている。
中学生が半分以上のFC駒沢女子トップチーム、相対的に見ると力の差は否めない。だが勝敗はそれだけでは決まらない。それがスポーツのおもしろいところ・・。
1部リーグ上位を何年も守り続けた伝統の強豪FC駒沢女子、王者慶応とどういう試合をするのか楽しみでした。
▼この日も中学生6名が入ったFC駒沢女子トップチーム
序盤からやはり慶応ペースでゲームは進んだように見えた。駒沢中学生選手たちもそのパワーに戸惑っている感じだった。しかし、そんなプレッシャーも東京女子体育大学戦もそうだったが、少しの時間で順応して、相手に関係なく自分たちのサッカーのペースに持っていくことが出来る。臆することもなく当たりにいくし、果敢にアタックもし前半チャンスシーンはむしろ駒沢の方が多かったかもしれない。
▼しかし立ち上がりの3分、中盤からロングキックで大きく蹴りこんできたボールにキーパー出て対応したものの、結果ゴールを割られてしまう。このキックアンドラッシュという戦法は以前FC駒沢女子がよく多用していた戦術でFC駒沢の得意技でもあった。他チームにもFC駒沢女子のサッカースタイルとして対策や警戒をされるほどだった。アジリティーの優れた選手と足の早いFWがいれば非情に有効な戦術で、まさに今の慶応がそれなのではないか。
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▼その後、流れはこのまま慶応かと思われたが、食い下がるFC駒沢女子のがんばりで均衡した時間が続いた。
そんな27分、コーナーキックのチャンスから、またも両みどり選手のコンビプレイで大きな同点ゴールを奪う
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▼態勢を低くしてピタリと頭を合わせ、きびしい体勢からもしっかりバネを使って力強いヘディングシュートを決めた
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このゴールで1-1の同点、劣勢だった展開がこのゴールでFC駒沢に自信と活気が戻った。
動きもがぜん良くなったが、1発のカウンターがまた襲ってきた。
▼1点目と同じように中盤から大きくゴール前にロングボールを入れてきた。攻めていた中のカウンターだったので最終ラインも上げていたが、DFみどり選手が充分対応できる位置にいるように見えたのだが、深いところに入ったボールを相手11番の選手も追ってきた。その足の速さは完全にみどり選手を凌いだ。みどり選手を追い越し、完全にフリーな状態からシュートを打たれる。
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▼フリーとはいえ厳しい角度から走り込んでのシュート、これを見事に決められた。
このゴールもまさにキックアンドラッシュの典型的なプレーで、2点目を奪われることとなった。
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前半はこのまま1-2で終了。ポゼッションでやや劣勢気味だったが、それでもプレイは全然見劣りしない。慶応相手に攻め込むシーンも多く堂々としたゲームで、試合の結果は後半次第といったところ。
後半立ち上がりの時間帯もやや慶応ペースでゲームが動いた。
▼11分に左からのシュートで3点目を失う。更に18分にも左からのクロスを合わせられ4点目を奪われる。
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FC駒沢女子やや防戦一方となった。なかなか攻撃のチャンスもつくれず、厳しい我慢の時間が続いた。
しかし、選手たちの戦意が落ちていたわけではない。
闘志ある果敢なプレイからファイルも多くなった。
近くにいた慶応部員たちから、ファールの際「中学生だからしょうがないよ」など、余裕とも思える言葉がこぼれて聞こえた。たぶん楽勝と楽観していたんでしょうが、そんな話し声が変わってきた。「え!今、何対何?」「マジ?」
ゲームは1−4と一方的ゲームでこのまま終了かと思われた終盤、FC駒沢女子、執念のネバリを見せてくれた。
▼33分、相手DFがキープしているボールに積極的なプレスをかけにいったことにより、相手パスミスを誘った。
苦しくなりフリーに見えたCBにバックパスを出したが、その甘いボールをあかね選手は見逃さなかった。
画面左からあかね選手、猛烈なダッシュ。相手DFの対応も遅れる。
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▼あかね選手、このボールを見事カットしシュート!ゴールへの強い執念と早い判断とアジジティーの高さはさすが!これで2−4と2点差に縮まった。![]()
▼さらにその1分後、ゴール前ルーズボールになったところを、あかね選手すかさずミドルレンジからのループ気味のシュート!このシュートがゴール右上の絶妙なコースをつきゴールが決まる!これで4−3と1点差まで追い上げた。
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慶応大学に気の緩みが出たのかミスもあったが、FC駒沢女子の執念でこの終盤はゲームの展開が大きく変わり、あと1点、残り5分同点の可能性も十分ありと見えた。
しかし、慶応も必死の応戦を見せこのままゲームは終了した。あと10分あればという感じもする。
FC駒沢女子はU-15メンバーにとってこの時間帯は相当きついはずだが、そこは実践と練習で積んだ経験が生かせているのだと思う。
結果は3-4と敗れはしたものの、1部リーグ全勝5試合で1失点しかしていない慶応から3ゴールを奪ったという事は、誇れる試合内容だったのではないでしょうか。
1部リーグ残り3試合、まだまだ上位入賞の可能性があるので残り試合頑張ってください。
今日みたいな試合ができれば、残り3勝で終われるはず。